国や自治体などのご依頼元、相談者、相談事業に携わる方々などからのリクエストや、今の時代のニーズをみたうえでの取り組みをもとに、様々な手法を確立しています。自社での相談事業や、当協議会加盟団体等と連携した活動をもとに、ノウハウ研究を行っています。
相談事業
日本で初めて、本格的にSNS相談が導入されたのは、厚生労働省自殺防止対策事業におけるSNSカウンセリングです。全国SNSカウンセリング協議会では、公益財団法人関西カウンセリングセンター、一般社団法人全国心理業連合会(全心連)との3団体協同で相談受付を行いました。
自殺相談というテーマにもかかわらず、2018年3月1日の相談開始日には当協議会の相談用アカウント(SNSカウンセリング~ココロの健康相談~)には2万人以上の友だち登録があり、同年3月31日の相談終了日には6万人を超えました。悩みを抱えた方々がこんなにもいらっしゃることを顕在化させたと言えます。
全国SNSカウンセリング協議会ではLINEでのチャット相談に加え、LINE to Callを用いた電話相談も併用したことは画期的な取り組みでした。以降、どのようにしてSNS相談から電話相談への移行を行うかが、自殺防止対策事業でもひとつのテーマになりました。
2020年、コロナ禍でのエッセンシャルワーカー・そのご家族の方々や、感染者・濃厚接触者の方々などが、誤解や偏見に基づいた差別的な言動により、精神的ダメージを受けておられました。また、急死したテレビ番組に出演していた女性が、インターネット上での誹謗中傷を受けていたと指摘された問題を機に、精神的なダメージを受けている多くの方々への心のケアの必要性があると考えられました。
2020年7月、一般社団法人全国心理業連合会(全心連)が、SNSを活用した誹謗中傷等の心のケア相談を行うにあたり、全体的な運営協力を行いました。結果レポートはこちらに掲載されています。
新しい取り組み
2023年、チャットGPTをはじめとした生成AIの登場により、AIを応用したチャット相談にはめざましい進歩がみられます。インターネットやSNSでつながる先に、信頼できるSNSカウンセラーがいることが重要であり、AI等の技術が進歩しても安心して相談できる体制を守っていくことが急務です。
SNS相談の生みの親とも言える、協議会理事で京都大学学生総合支援機構 教授 杉原保史先生や、AIカウンセリングをおつくりになった、電気通信大学人工知能先端研究センター 准教授 稲葉通将先生等のご指導をいただきながら、AIカウンセリングにおけるガイドラインの明確化に取り組んでいます。