SNSカウンセラーに求められる能力要件(抜粋)
赤字:心理カウンセラーが基本的に有する能力
黒字:SNSカウンセラー養成講座で修得する能力
青字:その他の研修等で修得する能力
SNS相談の社会的意義および役割の理解
1. 現在の社会状況におけるSNS相談の必要性と社会的意義の理解
2. SNSカウンセラーの役割の理解
- 相談者の心理状態の理解
- 相談者の置かれている状況の理解
- 理解に基づく適切な心理的ケアと助言の提供
- 心の健康に関する予防・啓発的情報の発信
3. 職業倫理の理解
- SNSカウンセラー倫理綱領の理解(守秘義務と通報義務の理解を含む)
SNS相談を行うための基本知識の理解
1. 心理カウンセリングの主要理論の理解
- ヒューマニスティック・アプローチ
- 精神力動的アプローチ
- 認知行動論的アプローチ
- システム論的アプローチ
- 解決志向的アプローチ
2. メンタルヘルスに関する理解
3. ライフサイクル・心理社会的発達理論に関する理解
4. 心の健康教育に関する理解
SNS相談を行うための基本スキル
1. 傾聴スキルを含むカウンセリングスキル
- 受容的技法(あいづち、反射など)
- 促進的技法(非指示的リード、開かれた質問など)
- 状況の明確化技法(適切に焦点づけられた質問など)
- 承認的技法(アファメーション、コンプリメント、ノーマライゼーションなど)
- 関与的技法(自己開示など)
- その他の応答技法(アドバイスなど)
2. SNS相談の基本スキル
(1)SNS相談にマッチした相談技術
- 共感的で支持的なメッセージをはっきりと言葉で伝える。
- 「感情の反射」よりも対話をリードする「質問」を行う。
- 情報提供・心理教育を積極的に行う。
- 問題の取り組みへの相談者の動機づけを高める。
- 相談者のテンポと文章量に波長を合わせる。
- 応答の行き違いやタイムラグを適切に取り扱う。
- 絵文字・スタンプを適切に利用する。
(2)SNS相談の実施手順(SNS相談のフローチャート)
- SNS相談のインフォームドコンセント
- SNS相談の始め方
- SNS相談の進め方
- SNS相談の終わり方
3. 危機介入カウンセリングと危機管理のスキル
4. 支援リソースにリファーするスキル
- リファーに関わるカウンセリングのスキル
- さまざまな支援リソースについての知識
SNS相談を行う上で必要となる、現代の社会的・文化的問題とその他の関連領域に関する理解*1
1. SNS相談を行う上で重要となるさまざまな法律についての理解
- 福祉関係の法律(児童福祉法、児童虐待防止法など)
- 教育関係の法律(いじめ防止対策推進法など)
- 労働関係の法律(改訂男女雇用機会均等法など)
- 少年非行に関する法律(少年法など)
2. SNSを含む情報通信技術の基礎に関する理解
3. 現代の若者の心性や若者文化の理解
4. 若者の心の問題に関する理解
- 自傷・自殺
- 不登校、ひきこもり
- 非行
5. 現代の若者を取り巻く社会的問題に関する理解
- 社会環境の問題(SNSを舞台とした若者をターゲットにした犯罪など)
- 学校環境の問題(いじめ、スクールカースト、スクールセクハラ、体罰など)
- 職場環境の問題(ハラスメント、ブラック企業・ブラックバイトなど)
- 家庭環境の問題(虐待など)
6. 性的マイノリティと性分化疾患についての理解
- LGBTQ
- 性分化疾患
※その他、今後想定される様々な領域のSNS相談事業に関連する知識、技術等に関して上記能力要件の(*1)分野に関しては随時アップデートを行っていく。